腐った警察を変える力になるだろう。決して退職してはならない。

 

何のことか?

 https://www.asahi.com/articles/ASN4S3DZFN4RPIHB01D.html

 

2020年4月24日のニュースで「兵庫県警の男性警部補が女性警察官に付きまとい

その女性警察官の勤務中や通勤の姿 机内の私物の写真を撮った」というものだ。

確定された犯罪事実は 2019年9月以降の行為のようだが 発覚・懲戒処分は 警

部補から一階級下げた巡査部長に降格。プラス 減給処分も付けた。という報道。

 

従来なら「依願退職した」というのが定番だった。

さすがに古参の警部補。自主退職へと追いやられなかった。(自主退職しないから 検

察と相談して 「より重い刑罰処分にして 懲戒免職」という選択が残っているから安

易なことは言えないが・・・)

 

書類送検の段階で自主退職しなかった要因は「警察組織が組織的な犯罪行為を行ってい

る組織であることをよく知っている人材」だからだろう。

 

「交通違反のもみ消し」 「犯罪統計の偽造」 勿論 裏金つくりの「公文書偽造・業

務上横領」 上司に付け届けの「賄賂」 「でっち上げ・冤罪事件の隠蔽工作」等々挙

げればきりがない。

 

40歳過ぎの警部補となれば いろいろ体験させられている。

 

「何故 俺が自主退職しなければならないのか・・・ 辞めるのはお前らだろう」と開

き直ったに違いない。

 

この「警部補 降格処分」を見た 今後 我が身にも 「懲戒処分が降りかかってくるだ

ろう」と心配している警察官らには 新しい選択が示されたということだ。

 

 

その昔(昭和60年代から 平成初期以前)は 「交通違反のもみ消し」は簡単に行わ

れていた。

警察官が犯した交通の違反のもみ消しだけではない。 警察署長に季節の挨拶に来る地

元財界やバッチ族までもが 甘い汁を吸う対象だった。

 

ところが近年 交通切符の管理が厳しくなり 交通切符を管理する「交通部の幹部」と

仲の悪い他部署の幹部等は交通違反もみ消しを頼み難くなってきた。

結果として 頼めなくなった警察官らは自分自身の交通違反はもちろん 協力者とし

て「交通違反もみ消し」を何とかしてやりたかった警察部外の方々に対しても「もみ消

しをしてやれなくなった」のだ。


その反響として 「交通違反をもみ消してもらった事実を内部告発」する風潮ができて

きた。

 

「あいつは あいつの 交通違反をもみ消した」とマスコミ等に 内部告発する風潮が

できてきた。五人組ならぬ「相互監視」が警察内部にも芽生えてきた。

 

結果として 交通違反ばかりではなく 大きな問題である「裏金つくり」への部内監視

も厳しい芽が生えてきた。

 

冒頭の「警部補を巡査部長に降格処分等事案」は正にこの「相互監視の風潮が力を発揮

してきた」といえよう。

 

要するに警察組織内の人間関係がギスギスしてきたということだ。

 

「警察組織が徹底した階級社会である」と言われていることは周知の通りだ。

つまり「ゴマすりが上手で階級を上げれば何でも言える」。

「階級試験」。「昇進試験」。「昇任試験」。言い方はいろいろあるが同じことだ。

上位階級に昇進するための警察内部の試験に合格するためには 試験問題を作る各部

の幹部から試験問題の漏洩を受けることだ。

幹部と仲良くならなければならない。

「付け届け」や「身の回りの世話」「仲人の依頼」。

いろいろと手段はある。

 

昭和50年ごろ私が前橋警察署の新前橋交番(当時は「派出所」といった。)に勤務し

ていた当時 その管内に住んでいたある幹部の奥さんから聞いた話だが「家の主人が巡

査部長試験に合格した御礼に洗濯機を送った」というのだ。なんでこんな話を私が聞け

たかというと その幹部(夫)が面倒見をして巡査部長試験に合格させてやった本人が

お礼に「豚肉2キロを持ってきた」という話からだった。豚肉2キロは大変な量で「食

べきるまでに腐ってしまう。馬鹿じゃないのか。」との不満と 「あなたも私の夫が面

倒見をしてやるから お礼は洗濯機以上のものだよ・・」と教えたのだった。

 

私はこの幹部に面倒を見てもらうつもりはなかったので「話として聞いておいた」のだ

った。だから実話として紹介できるのだ。

 

さて 何故私が「警部補から巡査部長に降格処分を受けた警察官が退職しなかったこと

を歓迎している」かだ?

 

大きな懲戒処分を受けても 内部にとどまる根性には「我が身に何があっても組織に残ってやる

る」という強い信念が見える。 明日の警察組織を正常化する力を持っている。

 

ここで思い出されるのが「オリンパス 濱田裁判」だ。部内の不正を内部通報すると「不

法配転させられた(概略)」というものだ。

それでも濱田さんは会社にとどまり信念を貫いている。

 

これと同じにこの降格処分警部補にも頑張って警察内部に残ってもらいたい・・・

同僚から温かい目が向けられるだろう・・・

 

但し 危険なのは 気を抜いてはいけないのは「自主退職しないのなら 首を切ってや

る」と 何が何でもの 無理な「免職処分」があることだけは忘れてはならない・・・


警正協二色のシール