2020年2月15日付け中国新聞デジタル版の報道によると2017年5月8日発覚した警察署内で発生の多額盗難事件「広島県警広島中央警察署会計課金庫から消えた8572万円盗難事件」は事件発覚から1012日目である2020年(令和2年)2月14日 死亡原因不明とされていた同署勤務の36歳男性警部補を容疑者(被疑者)と特定し「容疑者(被疑者)死亡」のまま広島地方検察庁へ書類送検して歯切れの悪い幕引きを図った。(本件事件は送致の3月11日 『容疑を裏付ける直接証拠は見つかっていない』として地検は不起訴にしたそうだ。

本件多額窃盗事件では 広島県警関係者やマスコミ等の報道により数々の不可解な人間関係などから「犯人像を推測する内容」もあったが 「死人に一切の責任を被せて終結」を示したようだが 検察の判断が「容疑を裏付ける直接証拠は見つかっていない」と結論付けされる無様な終結で広島県警関係者や広島県民からまだまだ警察に対する不信が続きそうだ。

広島県警の捜査が杜撰だったというほかはない。
このことについて 広島県警の責任者である広島県警本部長鈴木信弘警視監(警視総監のすぐ下の階級)は2020年2月14日広島県警本部で記者会見し綿密捜査、お詫びと再発防止等を表明したようだ。
広島県警本部長鈴木信弘警視監

中国新聞デジタル版の動画を「文字起こし」してみました。音声不鮮明箇所があり完ぺきとは言えませんが「ほぼ完成版」と自己評価しております。それでは どうぞ・・・

「被疑者死亡で送致」の報道から一カ月超が経過してしまい 警正協ブログの更新を気がかりにしていたが やっとここまで書ける時間が持てた。取り急ぎ県警の責任者である本部長の記者会見のお言葉を紐解いてみた。
警視監 鈴木信弘広島県警本部長の 記者会見発言

はじめに
平成29年広島中央警察署において証拠品として保管しておいた多額の現金が盗難被害に遭ったことについては、警察施設内において多額の現金が盗難に遭う あってはならないことであり 県民の皆様の県警察への信頼を 著しく損なうにこととなりました。被害を認知した後、県警察の総力を挙げて捜査をおこなった結果、元当県警察の男性警部補による犯行と特定し、本日、広島地方検察庁に送致いたしましたとともに関係職員の処分を実施いたしました。警察署において証拠品である多額の現金が盗まれたこと、また本件事件が当県警職員の犯行であったことにつきまして 誠に申し訳なく 改めまして深くおわび申し上げます。(ここで約10秒間頭を下げる)

それでは私から説明申し上げます。
平成29年に広島中央警察署において保管中の証拠品であった現金8572万円が盗まれた盗難事件につきましては 、これまでの捜査により被疑者を元当県警察の男性警部補=当時(36)=と特定し、本日、広島地方検察庁に 窃盗罪等で送致いたしました。なお 被疑者につきましては平成29年9月に死亡しておりますので被疑者死亡という形での送致であります。捜査状況についてはこの後 刑事部長から説明させますが 警察署で証拠品の多額現金が窃取されるという あってはならない重大事案につきまして、この被疑者を当県警察で現職にあった警察官と特定するに至り まさに警察官にあるまじき行為と深刻に受け止めております。早期検挙に向けて県警察を挙げて捜査をおこなってきたところでありますが真相究明に長期間を要したことにつきましても 誠に遺憾思うところであります。また捜査の過程において、当該職員には過度なギャンブルにより多額の借財があることが明らかになったところでありますが かかる問題兆候等を組織的に把握できなかったことにつきましても遺憾に堪えません。すでに再発防止策として証拠品管理の厳格化につき諸対策を講じてきたところでございますが 今後ともこれらの対策の実効が上がるよう取り組んでまいりますとともに 引き続き職員の心情等を的確に把握する きめ細かな指導や支援を組織的に実施することに 被疑事案の未然防止を図っていく所存であります。

次に関係職員の処分についておはなしします。
既に 昨年4月 本件証拠品の管理が不適切であったなどとして 同署署長のほか 関係職員の処分を実施したところでございますが被疑者を当県警職員と特定するに至りあらためて関係職員の処分を実施したところであります。今回の処分内容でございますが 発生した結果の重大性等を踏まえまして   同署署長、犯行当時の当署副署長  刑事官および 生活安全課長を それぞれ口頭厳重注意 当時の同署副署長を本部長注意といたしました。

次に再発防止策について説明いたします。
今回の盗難被害については 背景として多額現金などの保管施設等の在り方に改善の余地があったと考えており これを踏まえ すでに証拠品のうち多額の現金などを警察署での保管が困難と認められるものなどについて 新たに整備した警察本部の保管庫での保管を実施し 警察署に設置している現金や 禁制品などの 特殊な証拠品を保管する保管庫について、容量が不足していると認められるものを 大型化するとともに、これら 保管庫の鍵は特定の幹部が管理するなど、証拠品管理の 厳格化に関する諸対策を講じたところでございます。また そのほか セキュリティー対策として、施設への出入り等を撮影できる防犯カメラを警察署に 新たに または 追加して整備し 施設の中を撮影できる防犯カメラを警察署に新たに整備したところであります。今後とも これら諸対策の実効が上がるよう取り組んで参りますとともに 今回の当該職員による犯行の背景に過度な 借財などの実態があったことを重く受け止め、職員の身上を的確に把握して きめ細やかな 指導や支援を組織的に実施するなど、職員に対する指導監督をより一層徹底し再発防止を図ってまいる所存でございます。なお ギャンブルや特定の借財実態など実効ある身上把握を実践すべく、その徹底を全所属に通達することとしております。

次に 押収現金にかかる盗難被害の回復について説明させていただきます。
現在押収した現金は盗難被害にあった詐欺事件の被告人については、詐欺事件を前提犯罪とする組織的犯罪処罰法違反事件により 逮捕・起訴され、現在公判中ではありますが、本年3月4日に刑事判決が言い渡される予定となっております。詐欺事件被害者の被害回復を早期かつ確実に実現するため、特段の対処が必要であるものと判断し、 任意団体を設置し現職職員、OB、その他関係団体等の有志から被害相当額を集めたものであります。仮に、追徴判決が出され 確定した場合には 犯罪被害財産として追徴を命じられた金額を、8572万円を上限として、当該任意団体が被告人にかわり弁済することを内容とする合意書を令和元年9月26日に締結しております。任意団体が弁済することにより被害回復給付金支給法に基づき、検察官の手続きにより、詐欺事件被害者に対して、追徴金を原資として被害回復給付金が支給されることになります。確定判決の内容によって、さまざまな対応がありえ、現時点確定的に対応が決まっているものではありませんが、いずれにしても被害回復給付金支給法に基づき被害者の被害回復に支障が生じることのないようにないように進める必要があると考えたものであります。 

最後になりますが 
あらためまして広島中央警察署における 証拠品である多額現金が窃盗被害にあったこと、またその被害者が当県警職員であったこと(言い間違えて言い直して)「その被疑者が当県警職員であったこと」につきまして、県民のみなさまに深くおわび申し上げます。引き続き的確な身上把握の下、職員に対する指導監督を徹底し、被疑事案の絶無を図ってまいりますとともに、職員が士気高く職務にまい進して県民の安心安全に一層尽力することで、県民の皆様の県警察への信頼を回復し、県民の期待に応える組織づくりに取り組んで参りますことを申し上げ 私からの説明とさせていただきます。<以上ここまで8分43秒>